PPAの導入ステップについて事業者が本音で語る!環境省の補助金をどう活用するか
長尾
水田さん、3回目ということで、ありがとうございます。
水田
ありがとうございます。
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長尾
2回目のときに、世界のPPAのトレンド、これについてお話したと思うんですけども、今回は、実際国内で導入するには具体的にどういうステップを踏まなきゃいけないかっていう部分、これをちょっと教えていただいていいですか?
水田
はい。簡単に弊社の経験も含めてですね、お話させていただければと思います。
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補助金の具体例からスケジュール感をつかもう
水田
ポイントとしては、昨年からですね、環境省が補助金用のPPAに関して出し始めてますので、この補助金を使うっていうのは、一つ有効な手段ではないかという風に考えてます。
水田
こちらのスライドがですね、令和2年度の予算で組まれた補助金の概要になるんですけども、総額で50億円ですね。時期としては、昨年6月から9月の末まで募集がありました、ということです。
次のスライドが補助金の具体的な金額なんですけれども、弊社がですね、今回取得したものはこちらの①になりまして、オンサイトのPPAモデルっていうことで、これが、ACkW当たりに対して6万円プラスαですね、補助金が出ます、ということになっております。
長尾
かなり手厚いですね。
水田
そうですね。実際にですね、補助金を取得しますと、次のスライドになるんですけれども、こういう形で環境省さんの方から通知が来まして、これに対して施工を行っていくっていうような流れになります。
今回取得させていただいた補助金の案件の中の一つの案件が、東洋アルミ様というですね、大企業様の工場になるんですけれども、次のスライドで施工の様子なんかを出させていただいておりますけれども、こちらの方の工場の屋根にモジュールをつけさせていただいているということになってます、と。
水田
トータルで、じゃあ、どれぐらいのスケジュール感で動いたんですかってとこなんですけども、次のスライドで説明させていただいておりまして。実質ですね、1番上にあります通り、11月の末から2月の末までで、施工を含めてですね、物の手配から全てを終わらせたということになってます。
長尾
結構タイトですよね。
水田
そうですね。
長尾
しかも、年末年始でバタバタする時期で。
水田
本当、仰る通りで、メーカーとしてはですね、中国メーカーが多いんで、彼らの旧正月の関係とかもあって、結構、仰る通り本当にタイトだったんですけど、この辺も、初回の動画の中でご説明した通り、経験がある投資家さんと組まれた方が、電気需要家さんとしては、失敗がなくですね、進められるんじゃないかなという風に思ってます。
あともう一つは、下の方をご覧いただきたいんですけど、PPAの契約書に関する協議っていうところで、10月の初めから12月の初めまで2か月半ぐらいかかってるんですけど。
これもやっぱり、PPAというもの自体が日本でそれほど普及していない分、契約書に関しては、結構両者、細かいところを詰める必要があったっていうようにご理解いただければ。
長尾
基本的な部分の合意に至ってから、契約書の内容を詰めるだけでこれぐらいかかったという。
水田
そうですね。「こういうケースはどうするんだ」「こういう場合どうするんだ」っていうところで、投資家目線で見たときに、やっぱり、いくつかポイントとなるところがありますので、その辺をしっかり詰めておく必要があるんじゃないかなという風に考えてますね。
投資家目線で見る契約書のポイント3つ
水田
投資家としてのポイントとしては、具体的には3つあると思っておりまして、1つ目がですね、まず、電気需要家さんに対する信頼度っていうところですね。
水田
信用度と言ってもいいと思うんですけれども、僭越ながらですね、やはり投資させていただく立場としては、投資させていただいた後に、電気需要家さんが、契約期間中に万が一倒産とかっていったことがあったときに、そういったリスクを見なければならないというところが1点目にございます。
2つ目にですね、やはり作った電力の内の消費した部分を買っていただけるというスキームになるので、必ずきちんと使っていただけるような見込みが立てられるかどうかっていうところですね。それを見越した上で、3番目に、利回りがどれぐらいで回るかという、3点が非常にポイントかなと思っております。
長尾
利回りの部分ってやっぱり、リスクを背負ってるっていうところで考えると、FIT近辺で考えるっていうのが1番いいんですかね?
水田
そうですね、一応弊社としては、最低限何%っていう、表面利回りのルールを持ってるんですけれども、一つの目安としては、利率っていうのは参考になるんじゃないかなっていう風に思います。
長尾
FITとはチェックすべきポイントが違うというか。
水田
そうですね、はい。
長尾
FITと同じようにはできないっていうのが、なんとなくわかりました。
水田
そうですね、はい。
令和3年度の補助金の予算から、今後の傾向を読む
長尾
一つ質問なんですけども、今年度、50億円予算ついたってことなんですけども、来年度ってどうなんですか?
水田
最近ですね、環境省の方のホームページで発表された内容になるんですけども、このスライド見ていただきたいんですけれども、来年度に関しては総額で186億円の予算が、今ついてるということで。
長尾
増えたんですね。
水田
そうですね。PPAの形態も、ここに記載があります通り、いろんな可能性が広がってるというか、データセンターの事業だったりですとか、公共施設の中における事業だったりとかっていうところで、かなり具体的にいろんなパターンが出始めているので、どんどんどんどん、またこういう形で予算もついて普及していくんじゃないかという風に思います。
長尾
予算増えたっていうのは、今年度の50億円の予算はもう消化されたからっていうこと?
水田
そこはちょっと、正式な発表がまだ環境省の方からないので何とも言えないんですけど、かなりそれに近い形で使われたということは、なんとなく聞いてはおります。
あと、もう一つポイントとしては、来年度以降ですね、補助金に関しては、蓄電池も対象になっているんですけど。
今、リチウム電池っていうのが、一般的にはこういうところで使われているんですが、その他の技術とかも含めて、蓄電技術っていうのを持った会社がですね、結構幅広い形でこの補助金を活かして、事業展開を行うようになるんじゃないかなという風に考えてます。
長尾
今年もあれですね、どんどんPPAをIQgさんとしても推進されてくっていうのが。
水田
オンサイトの普通のPPAじゃない形でも何かできればいいかなとは思ってます。
長尾
非常に勉強になりました。皆さんですね、次回は、東洋アルミニウムの坂本部長に、次回来ていただきたいなという風に思ってますので、次回もですね、ぜひお見逃しないようにですね、チャンネル登録の方よろしくお願いします。
それではですね、また「脱炭素ならスイッチビズ」でお会いしましょう!
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【出演者情報】
■長尾 泰広:株式会社グッドフェローズ代表取締役CEO
株式会社グッドフェローズを設立し、代表取締役に就任。2児のパパ。住宅用太陽光発電の一括見積り「タイナビ」の開設でブレイクし、再エネ100%社会を実現する仲間が集う永遠のベンチャー企業を作り上げた。