AppleやAmazonがすでにやっている!プロが解説する世界のPPA事情
長尾
はい。水田さん、前回、国内のPPAスキームだったりとか、メリット・デメリットをお話しいただきましたけども。
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長尾
今回は世界のPPA事情についてお話しいただいてもいいですか?
水田
そうですね。
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世界ではPPAがどんどん普及している
水田
こちらの資料を使わせていただきますけれども、こちら2018年、ちょっと古いんですけれども、デロイト トーマツさんが再エネ市場に関する調査結果と分析ということで、PDFの資料をですね、Webに載せておりまして、そこからちょっと取り出したものになっています。
この資料の中で3つ、脱炭素の方法として挙げられてるんですけれども、1つ目がEAC、2つ目がPPA、3つ目がUGPっていう風に謳われてるんですね。
EACですとかUGPっていうのは、どちらかというと、基本的には証書を使った脱炭素スキームっていうことで、PPAに関しては、本当に実践的な、太陽光の発電所を作って脱炭素するっていうようなスキームという風に理解してます。
それぞれ、ここの円の中に色んな国の名前が書かれていると思うんですけれども、このPPAっていうところが含まれている国が、PPAが実際に行われてますよということを示しているとご理解いただければと思います。
長尾
かなりの国がPPAやられてますね。
水田
そうですね、ご覧いただいておわかりいただける通り、ドイツとか、フランス、イタリアっていったヨーロッパの、FITが最初に始まったようなエリアの国々ですとか、それから、アメリカも入ってますよね。
一方で日本に関しては、これ、2018年の時点の情報になりますので、当時PPAっていうのはあまり行われていなかったということで、PPAの欄には含まれていないんですけれども。
昨年からですね、環境省が補助金を出し始めて、PPAに関しても日本は入ってくるという風に言っていいと思っております。
長尾
なるほど、なるほど。
水田
ちょっと右側の方に、コメントですね、横線引かせていただいたんですけれども。
ここにございます通り、「PPAは35ヶ国で利用可能で、急速に拡大してます」というコメントがある通り、本当に世界的には結構普及しているモデルということが言えるんじゃないかなと思います。
長尾
なるほど、なるほど。これ、アジアは無いんですね。
水田
実際は、シンガポールに関してはPPAが行われ始めているという風に聞いておりまして、ちょっと他の国に関しては要調査が必要かなという感じですかね。
今後企業はPPAをどのように活用していくのか
長尾
今度は企業として、実際どういう会社がPPAを使って、活用されるのかっていう部分も、ちょっとお話しいただいていいですか?
水田
わかりました。
非常にわかりやすいところで、次の資料をご覧いただきたいんですけれども。
水田
これ、Amazonについてのピックアップなんですけれども、ここにあります通り、「グローバルで2020年に結ばれたPPAの契約の総量っていうのは23.7GWです」ということが、ここで書かれてます。
その内のですね、約3割、8GW弱が、AmazonによるPPAの購入者としての契約になってますよ、ということが書かれてます。
長尾
なるほど。
水田
Amazonに関しては自社のプレスリリースでも、次のページご覧いただきたいんですけれども。
水田
2020年、昨年の5月21日のプレスの方で、グローバル、まぁ、中国、オーストラリア、アメリカの方で合計615MWのPPAの契約を行いました。これは、電気需要家としてですね。
推測できるのはAWSというWebのサービスのデータセンター向けの電力を全てPPAで補ってるんじゃないかなという風に想像してます。
長尾
なるほど、なるほど。
水田
他にも、もう一つ事例として載せたのが、昨年の3月にカナディアン・ソーラーさんがAmazonさんとPPA契約を146MW締結しましたということで、これはカナディアンさんの方が投資事業者になるという風に想像しております。
長尾
なるほど、なるほど。Amazonの場合、需要家として電気を買ってるっていうことだと思うんですけど、逆パターンだったりとか、別の事例って海外であったりします?
水田
そうですね、同じテック企業でも、Appleに関しては、次の資料になるんですけれども。
水田
中国の方でAppleと彼らのサプライヤーとが共同でですね、開発のプロジェクトに投資をしてるということで、これ、需要家側ではなくて投資側としてやってると。
ちょっと下の方に記載があるんですけれども、実は日本の方でも、何カ所か設置はですね、Appleの方がしてるんですが、これは今FITでやってるっていうことで、今後PPAを日本でもやっていくんじゃないかっていうような事が書かれてます。
長尾
なるほど。
水田
同じように、Appleに関しては、次のページをご覧いただければおわかりいただける通り、太陽光だけじゃなくてですね、ヨーロッパの方では風力のタービンとかにも出資をしてるということで。
水田
同じPPAって言っても、投資家側と消費者側につくというケースが、非常にここでわかりやすく出てるのかなという風に思います。
長尾
なるほど、なるほど。
今話していただいた感想としてはですね、海外でもFITが終わってPPAが主流になってきてるっていう気がするんですけど、日本もおそらく、ポストFITっていうところで。
自家消費ってやっぱり、自社設備に限りがあるんで、それ全部やり切った後に、「じゃあどうするの?」ってなったときに、やっぱりPPAしか選択肢がないっていうことで、おそらく日本でも主流になっていくような、そんな気がしたんですけれども。
水田
そうですね、世界的な動向としては、今日お伝えしたような流れになるので、日本でもそういう風になっていくと良いなあという風に、非常に、個人的には思ってます、はい(笑)。
長尾
なるほど、なるほど。
ちょっとまだオンサイトは、水田さんも実際、実績としてやられてるように、法的な意味での課題っていうのはないと思うんですけれども。
オフサイトの方はいくつかハードルがあるっていう風に聞いてるので、そこの課題は残るものの、今後はPPAっていうのが、業界の中では主流になっていくというのが一般的な流れという風に私も思いました。
水田
そうですね。
長尾
次回ですね、実際PPAを今後どういう風に導入していけばいいかっていう、そのステップの部分ですね、補助金の話も絡めてお話しいただきたいなという風に思ってます。
それではですね、皆さん、チャンネル登録の方よろしくお願いします。また「脱炭素ならスイッチビズ」でお会いしましょう。