満足度が低い福利厚生ありませんか? 見直しでコスト削減!
表面的には福利厚生が充実していても、実際に所属スタッフが満足しているか、確認したことはありますか?満足度によってはコストの無駄が存在している可能性もあります。
ここでは、福利厚生に対する満足度の再確認を含め、見直し方法について詳しく解説します。
スタッフの満足度が低い代表的な福利厚生! 必要性を再確認!
日本企業はまだまだ経営者の権限が強く、トップダウン方式の業務遂行が多くを占めます。そのため、福利厚生も上層部からは良く見えても、スタッフから見るとあまり有り難くないタイプも少なくありません。上層部がスタッフの満足度が低いと理解できた場合は、その必要性を再確認する必要があります。
スタッフの都合を合わせにくい社員旅行
かつては、福利厚生の中でも代表的だった社員旅行。日本人にとって旅行そのものが最大のリフレッシュであったこともあって、入社したい企業を決める際の重要な判断基準でもあったのです。
しかし、近年は共働きが多くなり、男女問わず家事や子育てを担うことが当たり前の時代になりました。これにより、ライフスタイルも変化し、社員旅行に参加することさえも億劫だと感じるスタッフも増えています。
ライフスタイルの多様化もあって各スタッフの都合も合わせにくくなり、かつてのような有難い福利厚生ではなくなったのです。企業の上層部から見ると不本意かもしれませんが、社員旅行に対する満足度の低さは、世相を考えると当然と言えるかもしれません。
忘年会や新年会など飲酒を目的とした宴会イベント
また、最近は飲酒しない人も増えており、企業にとって重要な交流の場であった忘年会や新年会など、飲酒メインのイベントは敬遠されやすくなっています。体質的に飲酒できないスタッフもいるため、企業イベントとはいえ参加することは精神的な苦痛になりかねません。
以前よりは著しく減少しましたが、飲酒を強引に進めてくる人もいまだに存在します。交流の場として意義が失われつつあることも、これらの飲酒イベントに対する満足度が低い理由でしょう。
本来はスタッフがそれぞれリラックスすべき場なのに、できない人、むしろ苦痛な人もいるのであれば、コストの無駄という意見も十分に納得がいきます。
福利厚生によるコストの無駄を削減する基本的な方法
企業の無駄なコストは、福利厚生費が原因であることも多いです。ここでは、一般的にどのような福利厚生が無駄なコストになっているのか、スタッフ全員が納得のいく福利厚生運営をスムーズに進める方法についても見ていきます。
スタッフが乗り気にならない福利厚生自体が無駄な出費
まず、福利厚生の中にスタッフが乗り気にならないものは、その時点で無駄な出費だと判断しましょう。先ほどの社員旅行や飲み会に限らず、参加者が著しく少ないようであればその職場にとって不必要なイベントです。
一般的に、このような福利厚生は会社が創立されて長らく存在してきたケースも多く、言ってみれば馴れ合いによって存続してきたものでしょう。このような福利厚生は、みんなが喜んでくれていると上層部が誤解していることもあり、トップダウンの企業ほど見直しに時間が掛かる可能性が考えられます。
「スタッフが喜んでいない」という認識を最初に持つことが一番重要で、これができればその他の福利厚生見直しもスムーズに進むことが期待できます。
福利厚生の構築は社員による意見を定期的に集めてから決定
また、福利厚生は定期的な見直しを行うことがベストです。経費削減のために見直しを進めるというスタンスではなく、満足度が低いと感じたら随時見直しを実施すべきでしょう。
見直し方法は実にシンプルで、スタッフからアンケートを取って意見を集約します。率直な意見が欲しいという前提であれば、多くのスタッフが屈託ない意見を書いてくれるでしょう。これは創業年数が長い企業でも十分に有効な見直し方法です。
スタッフの数が少ない職場では、直接話し合って決めることも1つの方法になります。自分たちの福利厚生に関することなので、日常業務以上に積極的な意見が交わされるはずです。
スタッフが満足する福利厚生を安く提供するには?
多くの企業経営者は、「満足度が高い福利厚生はコストも高い」という間違った認識を持っています。つまり、スタッフが求めているものは値段ではなくて、純粋に良かったと思える福利厚生なのです。ここで一度発想を逆転させて、いかに安くスタッフを満足させられるかを考えていきましょう。
⇒アウトソーシングによる企業の経費削減方法を4部門別に紹介!
福利厚生サービス業者と契約してリーズナブルに
最近は福利厚生を自社で構築せず、アウトソーシングできることはご存知ですか?不特定多数の企業向けに福利厚生を代行している企業があります。特定企業向けのサービスではないため、お得なコンテンツが盛りだくさんです。
例えば人気のホテルやジム、エステやレジャー施設など、本来は企業と各サービス業が提携し福利厚生として提供していたものが、現在は代行業者を経由することでより費用を抑えて満足度も得られる仕組みとなっています。
コンテンツも多様で、上記以外にも育児や介護、そして引っ越しや結婚式など日常生活に関するものも充実しています。1つの企業だけでは構築できないボリュームの多さが、福利厚生アウトソーシングの大きな魅力です。
福利厚生ポイントを導入してメニューを選ばせることも可能
しかし、やはり独自の福利厚生を提供したいという経営者もいらっしゃるでしょう。その場合は、「福利厚生ポイント」と呼ばれるものをスタッフに提供する方法がおすすめです。いわゆる「カフェテリアプラン」と呼ばれる福利厚生です。
配布されたポイントの範囲内で好きな福利厚生を選ぶことができる仕組みのため、自分で自由に選べて強制感がなく、意外にスタッフ受けします。
先述したような子育てや介護支援といった、普段言い出しにくいこともメニューに加えることで、スタッフが気兼ねなく利用できるようになります。
スタッフによって求める福利厚生は異なるため、選択肢を用意しておくことで効率的に満足度を高めることができます。実際、導入している企業では、スタッフの評判もすこぶる良い傾向にあります。
思い切って福利厚生を無くす方法にも意外なメリットが
コストパフォーマンスの見極めが必要な福利厚生。全体的にスタッフからの評判が芳しくない場合、最低限の福利厚生を残して思い切って無くしてしまう方法も1つの選択肢です。
福利厚生で満足度が得られないのであれば、その分のコストを他に流用してスタッフの満足を勝ち取るという手法になります。ここではその具体例をご紹介します。
給与や賞与など人件費に振り分ける方が効果的!
最もシンプルなのは、福利厚生を廃止してその分のコストを給与や賞与に加える方法です。基本給に加えるとコストが増す懸念がある場合は、一時的な報奨金として支給しても良いでしょう。
商品券の支給という方法もありますが、人件費としての支給よりは満足度が落ちてしまいます。ただ、人件費に充てると所得税が掛かる可能性が高いので、金額が少しでも大きくなると目減りが生じてお得感が薄れてしまうケースもあります。
それでも、もともと評判が良くなかった福利厚生として提供するよりは、状況を改善できる可能性が圧倒的に高くなります。
オリジナリティのある各種手当で優秀な人材を取り込む
人件費として支給するなら、「手当」という方式で支給する方法もあります。メリットは、経営者の気持ちを表すオリジナリティに富んだ手当にできることです。
自分で好きな手当を選べるようにすれば斬新さや目新しさもあり、優秀な人材が入社応募する際に企業を選ぶ決め手としても機能するかもしれません。
福利厚生の見直しは、経費削減だけでなくスタッフ満足度のアップも見込めます。トップダウン方式で今まで見直しをしていない企業で、ぜひ実施してみてはいかがでしょうか。