工場の節電対策に有効な8つの方法
工場でつかう電気となると、一般家庭とは比べものにならないほど大量になります。24時間稼働している工場もありますので、日夜を問わず常に電気を使用している工場も多いはずです。
そして経営上の問題としては如何にして電気をコントロールして、光熱費を削減するかは大きな課題でしょう。
工場の稼働ラインを維持しながら電気を節約するのは、高度なシステムが必要ですとか、とにかく難しいことだとお考えではないでしょうか? 節電を考えるなら、製造に影響を与えない空調設備や冷凍設備などの削減方法を考えることとなります。
そして工場の電気代として空調設備は多くて全体の15%ほど、冷凍設備も加えると約20~30%になります、これをいかに節電するかを考えることが重要となります。
工場での節電方法の前に従業員の意識改革も重要
工場で節電すると言っても、その方法はそれぞれの工場で違ってきます。
食品を扱う工場だと室温を無闇に上げることは出来ず、精密機器を扱う工場だとサーキュレーターなどを使うと埃を舞い散らしてしまいます。そのために工場ごとの適した節電方法というのは違ってきます。
どの工場でも行える基本的な節電方法としては、照明器具を見直す、勤務時間を見直す、エアコンのフィルターなどを掃除するという方法があります。
ただし照明器具やエアコンの台数が増えると、メンテナンスにコストがかかりますので、その点も考えないとなりません。
そして何よりも節電を行う前に、従業員の意識改革が必要です。
いくら省エネ効果の高い設備を導入したとしても、従業員が無駄に電気を使っては節電効果は期待できないのです。
工場の節電は設備の見直しと同時に従業員の意識も高めないとなりません。
計画と電気の見える化をしよう
節電するにしても、どれぐらい電気を使っており、どれぐらい節約できているかわからなければ、節電のしようがありません。そのためにまずは部屋ごとにワットモニターを取付けて、どれぐらいの電気を使っているのか数値で見えるようにしましょう。
また節電を行う場合は、どのような節電対策を行うか計画を立てましょう。
どこに多くの無駄な電気を使っているか、それをどうすれば使用する電気を少なくできるのかを計画していきます。
計画段階では部品の交換などお金のかかる部分も出てきますので、予算も決めておきましょう。
そしてどのような節電対策を行うか具体的に計画を練っていきます。
具体的な計画が出来上がったら、その計画に沿って節電対策を行っていくのです。
空調設備は1度変化させるだけで10%の節電効果
工場では大型のエアコンを使用して室内の温度を調節している場合が多いかと思います。
一般的にエアコンの温度は設定温度を1度変化させると約10%の電気使用量が減ります。
このためにエアコンの温度は出来るだけ高い方が良く、一般家庭では28度が良いとされていますが、工場では従業員の方が日夜動いて働いていますので、暑く感じない程度で温度を高めに設定すると良いでしょう。
ただし温度設定は食品などを扱う工場だと、難しい面もあるかと思います。
そして意外に大きな節電効果を得られるのが、室外機や室内機を洗浄する方法です。
空調設備や室外機を洗浄しフィルターを綺麗にすることで、15%程の電気代削減が行えた例もあります。
また夏だと室外機の温度を上げないように、日よけなどを付けて直射日光を防ぐようにしてもエアコンの効率を上げて節電になります。業務用のエアコンだと、室外機に水を噴射する冷水噴射機能付きの室外機もあります。
エアコンの稼働状況も見直すと良いですね。
もしも必要以上に設置しているなら、必要な部分だけを稼働させ、ビニールカーテンなどで一部分だけをエアコンで空調しても良いかもしれません。更衣室など小さな部屋ならエアコンではなく、扇風機などを設置して使うだけで十分対応できるかもしれません。
天井の高い工場や広い部屋の工場は、シーリングファンを設置すれば室内の空気を循環させて、エアコンの効率を上げて節電になります。
ただしシーリングファンを設置して稼働させるだけでも、設置費用と電気代がかかりますので、これは工場の広さなどで検討すべきです。もしもそれほど広くない空間なら、シーリングファン代わりにサーキュレーターや扇風機で代用できるでしょう。
夏場だと空調の温度は28度が一番節電となる事は先程もお伝えしましたが、28度に温度設定するなら、従業員は涼しい格好で仕事が出来るようにする、扇風機などを併用する、スポーツドリンクなどを支給するなど、快適に仕事が出来るよう配慮してあげると良いでしょう。
ドアが大きかったりして外気が入りやすい工場だと、透明なカーテンを付けるなど外気が入りにくくすると、工場内の温度も上がらず空調の効率も下がりません。
そして次の方法は元を取るには長い年月が必要であり、初期投資費用もかかりますが、もしも古いエアコンを使用しているなら、新しいエアコンに変えると節電効果が得られます。
古いエアコンは省エネ効果が低く電気を沢山使いますので、新品に変えると省エネ効果を期待できます。ただし、これには多額の初期投資費用がかかりますので、予算と相談になるかと思います。
照明はLEDに交換が最も節電に!
最も照明の節電効果として高いのが電球をLEDのものに取り替えることです。
LEDは通常の蛍光灯と比べると販売価格が高いですが、最近は海外製の安いLED電球も沢山売られています。
それを大量に購入して工場の電球と取り替える、もしも設置が難しいなら電気工事士に取り替えを依頼すると良いです。また少し値段は高くなりますが、信頼性を求めるなら国内メーカーのLED電球を使うのも良いでしょう。これはどのような工場でも取り組める節電方法です。
またこちらの方法はあまり節電効果は高くないですが、使用する照明を間引くという方法もあります。
節約できる電気代に換算するとさほど効果はないですが、この方法を行うと目に見える形の節電方法になりますので、従業員の節電への意識を高めることが出来ます。
これから工場一丸となって節電に取り組もうと言う場合は、とても良い方法でしょう。
工場の稼働時間の見直し
工場の場合は24時間稼働しているところもありますが、夕方までなど工場の稼働時間が決まっている場合も多いでしょう。
もしも夜間に稼働をシフトさせる事が出来れば、夜間電力で稼働が出来ますので、その分電気代が安くなります。
また夏場は昼間はどうしても暑く空調の電気は多く使いますので、夜間にシフトさせるか、または早朝から稼働させると空調の効率を下げずに済みます。
ただし夜間にシフトさせる場合は、時間外手当や深夜手当を従業員に支払わないとならないので、人件費の方が高くなる場合があり、節約する電気代と割り増し賃金の両方を考えないとなりません。
デマンドコントローラーで監視
デマンドコントローラーは使用電力を常に監視する装置であり、電気使用量の設定した数値を超えると警告が発せられる装置です。
もしも設定値を超えた場合は、エアコンのスイッチを切るなど、電気使用量を少なくするように取り組みましょう。
デマンドコントローラーを使用した場合は、商品管理やお客さまに迷惑がかからないような場所のエアコンのスイッチを切るなどで対応する場合が多いです。デマンドコントローラーならワットモニター代わりに使っても良いでしょう。
外からの熱を遮断する
プレハブなどの工場だと、夏場は直射日光を受けて、壁などが熱を持ち工場内が暖まりやすくなり、空調の効率が下がります。熱が伝わりやすい素材の壁の工場だと空調を必要以上に稼働させますので、電気代が余計にかかります。
少し費用はかかりますが、そのような工場では断熱シートや断熱塗料を施すと、夏でも直射日光の影響を工場内が受けにくくなります。
このような断熱シートや断熱塗料は低コストで出来る節電対策であり、それほどお金もかかりません。
もしも工事をするなら工期も短く、保証付きの場合も多いので、万が一の時も安心です。
わざわざ断熱材を入れたり壁の素材を変えてリフォームすることなく、断熱効果を高められる手軽な節電対策方法です。
また窓なら断熱シートやフォルムを貼って断熱する、カーテンやブラインドで熱を遮断するとという方法もあり、こちらもそれほどお金をかけずに出来る節電方法です。断熱シートやフィルムならカーテンと違い、日光の光は遮りませんので、工場内でも余計に照明を使う必要もなく、これも節電に繋がります。
太陽光発電を導入する
再生可能エネルギーが推奨され導入が進む昨今では、太陽光発電を導入して自家発電する工場も増えてきました。環境問題への配慮とともに、工場で消費される光熱費を削減する方法として注目されています。
太陽光パネルは、工場の屋根に設置するほかに駐車スペースに屋根を付けるなど土地を有効活用する方法もあります。太陽光発電を導入する場合、補助金や税制優遇制度もあるので初期費用を抑えることもできます。
蓄電池を導入する
蓄電池を導入して活用するのも、工場の電気代を削減するための有効な方法です。近年では大規模な工場でも導入可能な大型の蓄電池が開発、販売されているため、導入する工場が増えています。
蓄電池があれば、電気代が安い夜間料金の時間帯に電気を蓄電しておき、電気代が高い日中に使うことも可能です。太陽光発電を導入していれば、自家発電した電気を貯めておけるのでさらに便利でしょう。蓄電池にも補助金制度があるので活用することをおすすめします。
電気契約プランを見直す
恐らく今までご紹介した中でも、一番節電効果の高い方法が電気料金プランの見直しです。家庭用のプランと同じように、企業向けプランでも季節や時間帯によって電気料金が変わるメニューを用意しています。
電気料金のプランは、基本料金と電力量料金と付加金によって決められる場合が多いですが、その中でも電力量料金では夜間だと安くなるプランや、早朝だと安くなるプランなどがあります。工場の稼働状況に合わせてプランを最適なものに変えると良いでしょう。
そして2016年4月からは電力自由化により、既存の電気会社以外にも電気販売に参入してくる会社が多数あります。このような会社は既存の電力会社よりも安い電気料金のプランを発表していますので、このような会社に変更するのも電気代削減に繋がります。
ただし色々な電気会社のプランを見ていくと、どこか一番自分の工場に適しているのかなかなかわかりにくいこともあります。そんな時は、各電気会社のプランを比較して検討できるサービスを利用してみると、自分の工場に最適なプランを見つけやすいです。
当サイトのスイッチビズは専門コンサルタントが無料でサポートしながら、高圧・特別高圧の電力プランを最適化いたします。ぜひお試しください。
スイッチビズが実現した! 工場の光熱費削減事例
工場の光熱費を大きく削減するためにおすすめなのが、電力会社を変えるという対処法です。現在の契約状況をほかの電力会社1社だけと比べるよりも、複数社との比較をするほうが削減額は大きくなります。
たとえば、スイッチビズで複数社を比較した結果、削減額に100万円もの差がでたケースもあります。複数社の見積もりが簡単にできて、削減額と削減率を明確に比較できるのがスイッチビズを使うメリットです。
<工場の光熱費削減事例1>
・関西の工場(契約電力550kW)を複数社に見てもらった事例
- 最小削減額A社 550万円
- 最大削減額B社 650万円
この事例ではA社650万円、B社550万円の見積りになりました。契約電力550kWという同一の工場を見ているのに、電力会社によって削減額に40万円もの違いが出たケースです。
<工場の光熱費削減事例2>
・関西の工場(契約電力205kW)を複数社に見てもらった事例
- 最小削減額A社 160万円
- 最大削減額B社 200万円
この事例でもA社200万円、B社160万円と40万円もの差が出ています。同じ施設でも電力会社によって何十万円もの差が出る点には注意が必要です。すでに新電力に変えている工場でも安くなった事例があるため、今一度電力会社を見直すことをおすすめします。