高層ビルの夜景

力率とは、実際に使われる電力の割合のことです。有効電力(実際に使用される電力)を皮相電力(無効電力も合わせた全体の電力)で割ることで求めることが出来ます。

今回は、力率についてのわかりやすい説明だけでなく、電気料金との関係についても詳しく解説します。

力率はどうやって計算するの?

力率計

力率は皮相電力の大きさに対する有効電力の大きさになるため、式で表す場合は「有効電力÷皮相電力」となります。

力率の意味 皮相電力の大きさに対する有効電力の大きさ
力率を求める計算式 有効電力÷皮相電力

皮相電力とは、一言で表すと「電源から送り出されている電力」のことです。内訳を無視して出された電力の全体のことなので、「見かけの電力」と言われていることもあります。

「皮相電力の二乗=有効電力の二乗+無効電力の二乗」なので、

皮相電力=√有効電力の二乗+無効電力の二乗

という数式で求めることが出来ます。

つまり、

力率=有効電力÷√(有効電力の二乗+無効電力の二乗)

です。

では、ここに出てくる有効電力と無効電力とは何でしょうか?

表される言葉 具体的な意味
有効電力 消費電力 負荷によって消費される電力
無効電力 負荷によって消費されない電力

有効電力とは、「負荷によって消費される電力」のことです。

負荷というのは電力を使うもの、家電などのことを示すため、有効電力を身近な言葉に変えると「消費電力」になります。

無効電力というのは、「負荷によって消費されない電力」のことです。

負荷によって消費されないので、電源と負荷の間を行ったり来たりして蓄えられている状態です。

これらを踏まえた上で簡単に力率を説明すると、力率とは「実際に供給される電力(皮相電力)に対して消費電力(有効電力)はどれくらいになるか?」を表す数値ということです。

つまり、電力の割合(力率)を求めるためには、有効電力と無効電力を合わせて皮相電力を求めることが必要になるというわけです。

そこから「有効電力÷皮相電力」の計算をすれば、実際に使われる電力の割合(力率)を把握出来ます

WとVAの違いってなに?その関係性は?

電気イメージ

VA(ボルトアンペア)やW(ワット)という単位は、蛍光灯を取り替える際などに見たことがあると思います。しかし、この2種類にどんな違いや関係があるのかということは、やや専門的なので知っている人は少なくなるかもしれません。

まずはVAについて、わかりやすく水に例えてお話をします。

電気工学で表される言葉 水に例えると何になるか
V(ボルト) 電圧 流れようとする水の力
A(アンペア) 電流 目的地に向かって実際に流れている水そのもの
VA 皮相電力 流れている水とその水の力を合わせた全体の水の量のこと

V(ボルト)は電圧なので、水に例えると流れようとする水の力です。A(アンペア)は電流なので、目的地に向かって実際に流れている水そのもののことを示しています。

つまりVAは流れている水とその水の力を合わせた全体の水の量のことで、これを電気工学では皮相電力=VAと言います。家電などを動かす時に送られる電力全体の量だと考えて良いでしょう。

対してW(ワット)は、実際に消費される電力のことを言います。有効電力、または消費電力という言葉で表されるのがWのことです。

電気工学で表される言葉 具体的な意味 求める計算式
W(ワット) 有効電力、または消費電力 実際に消費される電力のこと W=VA×力率

なぜVAとWで分けて表記がされてるのでしょうか?それは、一部の電気機器では実際に消費される(W)と動かすために必要になる電力(VA)の間に違いがあるからです。

電熱機器などは消費される電力と動かすために必要な電力が同じなので、WとVAの数値が同じであることがほとんどです。

しかし、掃除機や冷蔵庫など、モーターが搭載されているものはWとVAの数値に違いがあります。掃除機を動作させるためにはモーターを動かす必要があるためです。

モーターの力率は1より小さく、多くの場合は0.85ほどになることから、一般に「W=VA×0.85」という計算式で求められ、WはVAよりも低い数値になります。

わかりにくい場合は、炭酸飲料を例にとって考えてみるとイメージがしやすいです。

グラスいっぱいに炭酸飲料を注いでみると、泡の部分と液体の部分に分かれますね。しかし、実際に飲めるのは液体の部分(W)だけです。

しかし、グラスを満たすには泡の部分も必要になるため、泡も含めた量(VA)が必要になる、というような感じです。

高力率と低力率の違いってなに?

考える作業員の男性

力率は、その値によって高力率と低力率に分かれます。高力率は力率が85%以上のものを言い、低力率は85%以下のものを言います。

高力率 力率が85%以上
低力率 力率が85%以下

言葉の通り、力率が高いか低いかの違いになるわけですが、実際にはどのような違いが生じるのでしょうか?

高力率と低力率の違い その理由
高力率の場合 電流値(A)が低くなる 電流があまり強くなくても高い力率によって、動作に必要な皮相電力を供給出来るため
低力率の場合 電流値(A)が高くなる 無効電力が多い分、機器を動かすのに必要な皮相電力が多くなるため

高力率の場合は電流値(A)が低くなります。電流があまり強くなくても高い力率によって、動作に必要な電力を供給出来ているのです。供給されている電力をそのまま使うため、少なくても良いというイメージです。

対して低力率の場合は力率が低いために、高い電流値(A)が必要になります。

力率と効率の違いってなに?

機器を動かす力の率を示すことから、「力率」と「効率」は非常に混同されやすいです。ここでは少し噛み砕いて2つの違いについてお話をします。

具体的な意味 求める計算式
効率 機械の入力(供給されたエネルギー量:kW)に対する出力(有効なエネルギー量:kW)の割合 出力÷入力=出力÷(出力+損失)
力率 電力全体である皮相電力(VA)に対する消費される有効電力(W)の割合 有効電力÷皮相電力

効率というのは、一般的に作業に対しての能率のことを言います。

例えば100枚の折り紙から折り鶴を作ると仮定して、失敗数と成功数で見るのが効率ということになります。1枚も失敗せずに作れたら100%の効率、半分失敗してしまったら50%の効率ということです。これを電気工学に置き換えると、機械の出力と入力の違いのことになります。

機械に供給されたエネルギーに対し、どれほどの損失があったかによって計算されます。

出力÷入力=出力÷(出力+損失)という式で求められます。

対して力率は、渡した枚数に対して何割の折り鶴を作ろうとしたのかという点から計算します。100枚の折り紙から70個の折り鶴を作ろうとした場合は力率が0.7、120枚の折り紙から70個の折り鶴を作ろうとした場合は力率が0.58ということです。

このことから力率を求める式は「有効電力÷皮相電力」によって求められます。

力率は電気料金にどのように関係しているのか

電気料金

私達が毎月支払う電気料金には力率が関係しています。ここでは、電気料金に力率がどのように関係しているのかをお話します。

合計の電気料金 基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金 基本料金単価×契約電力×力率割引・割増

一般的に、電気料金の算出するには電気会社が定めている「基本料金」と「電力量料金」の合計額を出します。そこに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を加えることで総額が算出されます。

⇒高圧電力の電気料金は2種類の計算方法がある!

基本料金は「基本料金単価」×「契約電力」×「力率割引・割増」によって算出されます。この力率とは、電力会社が家庭や施設に届けた全体の電力の内、有効に使用された電力の割合のことを言います。

力率が85%を上回る場合は、1%上回るごとに1%の割引が適用されます。逆に力率が85%を下回る場合は、1%につき1%の割増が適用されます

尚、力率はメーターで測定した昼間の時間帯(8時〜22時)から計算され、月ごとに決定されます。電気代を抑えたい場合はこの時間帯に高力率な家電を使うようにし、低力率な家電は深夜や早朝に使うのが良いということがわかります。

力率の違いで電気料金はどれくらい変わる?

毎月かかる電気料金は、「基本料金」と「電力量料金」によって算出されます。この基本料金の中に力率による割引・割増が入ってくるのですが、この力率割引・割増によって、実際に電気料金にいくらぐらいの違いが出るのでしょうか。

具体的な金額を分かりやすくするために、世帯人数が大人2人、子供1人の3人の一般的な家庭の場合で計算をしてみましょう。

340kWhを1ヶ月使用した場合、電力会社によって誤差がありますが、おおよその電気料金は9,100円程になります。1年に換算すると109,200円です。この内の基本料金は850円程ですが、ここに力率割引・割増が発生すると考えてみましょう。

1ヶ月の基本料金の割引・割増金額 1年の基本料金の割引・割増金額 1年の電気料金
力率が95%だった場合 85円の割引(850円×0.1) 1,020円の割引(85円×12ヶ月) 108,180円(109,200円-1,020円)
力率が75%だった場合 85円の割増(850円×0.1) 1,020円の割増(85円×12ヶ月) 110,220円(109,200円+1,020円)

力率が95%だった場合は10%の割引が発生するため、基本料金の850円の10%である85円が割引されるということになります。毎月この割引が適用されたとして、1年にしてみると電気料金の総額は108,180円になります。

逆に力率が75%だった場合は割増が発生するため、基本料金の850円に10%の85円が加算されることになります。同じく毎月同じ割増が発生すると仮定して、1年にしてみると電気料金の総額は110,220円になります。

力率が規定値よりも10%高い場合と低い場合とでは、1年間の電気料金に2,040円の差が生じるということになります。

電化製品によって力率が違うのはなぜ?

まず、力率は、有効電力と無効電力によって求められます。

そして、無効電力は、電圧と電流の位相差によって発生するものです。

現在の日本で使われている家電や電気機器の多くはモーターが使われていて、モーターにはコイルが含まれています。

コイル成分は電圧よりも電流が遅れる「遅れ力率」と言われる状態を作るため、これにより実際に使われる有効電力と消費されない無効電力が発生します。

電熱器などは電力が全て熱になって使われているため、無効電力が発生せずに力率が1になります。

しかし、コイル成分が入っている掃除機や冷蔵庫を始めとした家電の場合は電流の位相に遅れが生じ、力率が下がるため無効電力が発生します。

一般家庭で使われている掃除機や冷蔵庫などの家電の場合、力率は85%程です。

このことから、電気会社では85%を基準として、85%を下回る力率の場合は1%ごとに割増料金をとっており、逆に85%を上回る力率の場合は1%ごとに割引料金をとっているのです。

高力率の家電を選ぶだけではなく同時に電力会社の見直しでさらに削減も!

ランニングコストを考慮すると、高力率の機器を使用する方が節約に繋がるということがわかりました。

高力率の家電を使うことも大切ですが、さらに簡単に電気料金を削減出来る方法があれば是非ともやってみたいですよね。おすすめなのが、電気料金プランの見直しです。

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オフィスに掛かるコストとして、電気代もできるだけ削減しましょう!

家賃やメンテナンス費など、オフィスに掛かるコストはできるだけ削減したいものですが、アクセス性も考慮して最適な物件を選ぶようにしましょう。
また、オフィスで発生するコストとして気になるのは、電気代ですよね。電力会社の切り替えで、大幅に電気代を削減できたケースもあります。

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