ソフトバンクの高圧電力は再生可能エネルギー中心で環境に優しい
2014年にソフトバンクグループが開始した法人向けの高圧電力小売り事業について取り上げます。通信事業で有名なソフトバンクグループが手掛ける電力事業の大きな特徴は、再生可能エネルギーを中心としている点です。その内容について詳しく説明していきます。
ソフトバンクが法人向け電力小売り事業を開始!
2014年7月に、ソフトバンクテレコム株式会社(2015年にソフトバンク株式会社に吸収合併)とSBパワー株式会社が法人向けの電力小売事業を始めました。50kW以上の高圧電力を使用する企業向けに、電力の販売や買い取りなどを行っています。関東地方のみで始まったこの事業ですが、現在は全国各地へと規模を拡大中です。
電力の供給にあたり、SBパワーの親会社であるSBエナジー株式会社は、大型風力発電機の建設計画を発表しました。洋上風力発電事業を展開する株式会社ウィンド・パワー・エナジーが計画している「茨城県鹿島港沖大規模洋上風力発電所」に出資し、第1期計画では大型風力発電機を約20基建設する予定です。
このことからも分かるように、ソフトバンクテレコムとSBパワーが提供する電力の大きな特徴は、再生可能エネルギーの比率が高いことです。二酸化炭素の排出量が低く、環境に優しい電力の供給をモットーとしています。
SBパワーによる電力供給の流れと特徴
発電事業を行うSBエナジーから調達した電力を特定規模電気事業者であるSBパワーが法人へ供給する、というのが電力供給の大まかな流れです。ただ、調達先はSBエナジーだけではありません。
日本卸電力取引所や再エネルギー開発事業者、その他発電事業者からも電力を調達することで、安定した供給体制を整えています。
供給する電力は太陽光発電や風力発電、生物資源を有効活用するバイオマス発電といった再生可能エネルギーがメインです。企業のコスト削減を手助けすると同時に、環境保護にも努めています。
また、電力会社を切り替えるにあたって特別な費用がかかるということは原則ありません。書面で切り替えの手続きを済ませることができ、工事が必要なケースでも電力会社が工事費等を負担するので、設備費用については何も心配はいりません。
メーターの切り替え工事は必ず行わなければなりませんが、これについても電力会社が工事費を負担します。送電網についても既存のものをそのまま利用するため、電力の供給が不安定になる等のデメリットもありません。
ソフトバンクの電力買取サービスの3つのメリット
ソフトバンクでは電力の買取サービスも提供しています。ソフトバンクの電力買取には、
- 「買取価格」が高い
- すぐに切り替え可能な「手軽さ」
- 切替時の手数料・工事費「0円」
といった3つの特徴があります。
電力の買取は国が「固定買取価格」というものを設定していますが、ソフトバンクでは固定買取価格より1円高く買い取っています。
続いては「手軽さ」です。面倒な工事を経ることなく、申込書に記入して郵送するだけで切り替えが済みます。
最後は「0円」。切り替えの際には手数料や工事費などがかかることはなく、0円でサービスを利用することができます。
ただし、現在は電力買取の新規受付は行っていませんのでご注意ください。
SBパワー株式会社について
法人向け電力小売り事業を手掛けるSBパワー株式会社についてご説明します。
特定規模電気事業者である同社は、メガソーラーや風力発電といった再生可能エネルギーを調達し、環境に優しいクリーンなエネルギーを供給しています。そんな同社のモットーは「あんしん」「あんぜん」「おトク」の三つ。
クリーンであることはもちろん、電力コストを減らすことができる経済的なエネルギーの供給を第一に考えています。また、一般電気事業者とバックアップ契約を結んでいるため、停電することなく安定的にエネルギーを届けることが可能です。
SBパワー株式会社の会社概要
SBパワー株式会社は東京都港区に本社を構えています。
2012年8月に、同社は汐留パワーステーション6号株式会社として設立されました。翌2013年に特定規模電気事業者の届け出をし、現在のSBパワー株式会社へと商号と改めました。
そして2014年7月からソフトバンクテレコムと協力して法人向けの電力小売事業を展開しています。
SBエナジー株式会社について
電力小売事業において重要な「発電」を担うのがSBエナジー株式会社です。同社はSBパワー株式会社の親会社であり、再生可能エネルギーエネルギーの発電・供給・販売といった事業を行うほか、再生可能エネルギーに関するイベントの企画なども手掛けます。
2011年の設立以降、全国各地に太陽光発電所や風力発電所を建設し、安心・安全で永続的に供給できる発電サイクルの確立を目標に掲げています。
SBエナジーでは5種類の発電事業を行っている
SBエナジーでは「地熱発電」「バイオマス発電」「水力発電」「風力発電」「太陽光発電」の5つの発電事業を展開しています。水力、風力、太陽光についてはご存知の方が多いかと思いますので、地熱とバイオマスの発電事業について簡単に説明します。
地熱発電とは、地下にあるマグマが持つ熱を活用した発電方法です。井戸などを掘ってマグマから出る蒸気を取り出し、これによって発電機のタービンを回して電気を生み出しています。ほとんど二酸化炭素を排出することがないので、環境保護の面で非常に優れた発電方法です。
また、地下のマグマの熱がエネルギー源のため、夜間に発電できない太陽光等と異なり、時間帯や気候に左右されることなく安定的に発電できることが大きなメリットです。
バイオマス発電は、可燃ごみや生ゴミ、廃油等を燃やしてタービンを動かし、電気をつくる方法です。無駄なく廃棄物を再利用することができるうえに、二酸化炭素を増やさずに発電できることから、将来性の高い発電方法として注目を集めています。
こうした環境に優しい再生可能エネルギーを中心に発電事業を展開しているのが、SBエナジー株式会社です。
今回は、ソフトバンクグループが提供する法人向けの高圧電力小売事業についてご説明しました。
環境問題への関心が高まる昨今、こうした再生可能エネルギーを中心としている電力会社を利用することも大切です。環境問題に貢献出来るだけでなく、企業イメージのアップにもつながるでしょう。
電力会社の選択で迷っている方は、ぜひ視野に入れてみてはいかがでしょうか。