CO2排出係数とは? 初期費用をかけずに改善する電力の見方
環境への配慮から、脱炭素化(CO2排出係数削減)やクリーンなエネルギーに目を向ける企業様が増えています。しかしいざCO2削減といっても、「どういった新電力に切り替えれば良いのか?」「そもそもCO2排出係数がよく分からない」と悩んでいませんか?
この記事では、クリーンな電力プランを検討するときに押さえておきたい、CO2排出係数をどこよりも分かりやすく解説。さらに各電力会社ごとのCO2排出係数を比較・解説しているので、新電力へ乗り換えを検討している企業様は参考ください。
CO2排出係数とは?
電力を生み出すにあたって、どれくらい二酸化炭素(CO2)が排出されたかを表した数値がCO2排出係数です。
CO2排出係数がゼロならば、発電するのに二酸化炭素をまったく出していないというわけです。
たとえば、再生可能エネルギーで発電した電気を売る、あるいはJ-クレジットや非化石証書などの方法で相殺することで、こうした電気料金プランが実現されます。
需要家目線ではCO2排出係数を抑える・ゼロにする電力を契約すると、事業のCO2排出係数を改善することができます。
環境へ配慮した電力プランを探すなら、CO2排出係数をチェックするのが基本です。
再エネ比率との違い
勘違いしやすいのが、再エネ比率=CO2排出係数という思い込みです。再エネ比率とは、電源構成における再エネの割合です。
再エネ=エコ=CO2削減と結びつけたくなりますが、CO2を削減したい場合、真にチェックすべきは再エネ比率ではなく、CO2排出係数です。
FIT電気=CO2排出係数ゼロではない
二酸化炭素を出さない発電方法となると、太陽光発電や風力発電といった再エネ発電が思い浮かぶことでしょう。しかし、FIT制度を通じて売電している太陽光発電や風力発電は、CO2排出係数ゼロとの評価は得られません。
FIT制度は、発電した電気を電力会社が買い取るとき、その負担の一部を電気の消費者が支払っています。つまり、FIT制度で支えられている再エネ発電の環境価値は、「再エネ発電賦課金」を負担している消費者全員のもの、と見なされているということです。
つまり、CO2の削減を目的とするなら、非FITの再生可能エネルギー発電と非化石証書。J-クレジットなど、カーボンオフセットの手段を組み合わせている電気料金プランを選ぶ必要があります。
CO2排出係数が低い、あるいはゼロの電気料金プランでのお見積もりは、スイッチビズにご依頼ください。RE100にも対応できる複数の電力会社からお見積りを取得し、ご検討をサポートいたします。
燃料別のCO2排出係数一覧
クリーンなエネルギーを選ぶためにも、私たちともなじみ深い燃料で発電すると、どれだけのCO2が排出されているのか把握するのは重要です。
参考までに、環境省が出している燃料別の排出係数を見てみましょう。
原料炭・一般炭とは石炭を指します。つまり排出係数は石炭が高く、低いのは天然ガス(LNG)というわけです。
電力会社はそれぞれ独自に電線構成を組み合わせているため、
石炭の割合が多いところもあれば、天然ガスを多く採用しているところもあります。
つまりCO2排出係数が少ないプランを用意している電力会社を乗り換えるだけで、CO2削減に繋がるというわけです。
各電力会社のCO2排出係数一覧
実際に、東京電力など既存の電力会社と、CO2排出係数削減を期待できる新電力会社のCO2排出係数をチェックしていきましょう。
ぜひお手元に自社の電気料金明細を用意して、電力会社ごとにどの程度CO2排出係数が異なるのか比較してみましょう。
既存電力のCO2排出係数を比較
東京電力など既存電力会社のCO2排出係数をまとめてみました。
※データは全て、(参考値)事業者全体で統一しています。
基礎排出係数 (t-CO2/kWh) | 調整後排出係数 (t-CO2/kWh) | |
---|---|---|
北海道電力 | 0.000643 | 0.000656 |
東北電力 | 0.000522 | 0.000523 |
東京電力 | 0.000468 | 0.000462 |
中部電力 | 0.000457 | 0.000472 |
北陸電力 | 0.000542 | 0.000574 |
関西電力 | 0.000352 | 0.000418 |
中国電力 | 0.000618 | 0.000636 |
四国電力 | 0.0005 | 0.000535 |
九州電力 | 0.000319 | 0.000463 |
沖縄電力 | 0.000786 | 0.000769 |
調整後CO2排出係数が大きい電力会社は、北海道電力や中国電力、沖縄電力です。逆に少ないのは、東京電力や中部電力、関西電力となっています。
ただこの数値だけでは、どの程度石炭が使われているのかなど、イメージしづらいと思いますので、2018年度の東京電力の電源構成を見てみましょう。
CO2排出係数の少ないLNG(天然ガス)を多く使っていますが、それでも全体の80%はCO2を排出する火力発電が占めています。再エネ全体では9%、FIT電気を含まない再エネは全体の3%しかありません。
やはりCO2を削減したい場合は、クリーンなプランを用意している新電力会社に目を向ける必要があります。
CO2排出係数を削減可能な電力会社6選
電力会社を削減したい企業様のために、CO2排出係数を削減可能な新電力を6社紹介します。
基礎排出係数 (t-CO2/kWh) | 調整後排出係数 (t-CO2/kWh) | |
---|---|---|
ミツウロコグリーンエネルギー | 0.000309 | 0.000493 |
エナリス・パワー・マーケティング | 0.000494 | 0.000558 |
Looop | 0.000462 | 0.000601 |
ネクストエナジー・アンド・リソース | 0.000466 | 0 |
エネサーブ | 0.000424 | 0.000707 |
出光興産(旧:昭和シェル石油(株)) | 0.000517 | 0.000418 |
上記の新電力はいずれもCO2排出係数を圧倒的に削減、あるいはゼロに調整した電力プランを持っています。データは全て事業者全体の参考値で統一していますが、需要家目線ではそういったプランを契約することで、事業のCO2排出係数を改善することができます。
特におすすめはミツウロコ、昭和シェル(出光グリーンパワー)、そしてネクストエナジー・アンド・リソースの3社です。
非化石証書やJ−クレジット、非FIT再エネ電気を活用して温室効果ガス排出量をより低く算定・報告できるプランを用意しているからです。
なかには、コストと排出係数のバランスを取りながら調整する柔軟性をもった新電力もございます。CO2排出係数とコストの兼ね合いにお悩みでしたら、スイッチビズにご相談ください。