【2021年】企業がもらえるEVの再エネ補助金情報を徹底解説
2021年も再エネ設備に関するお得な補助金が発表されました。注目なのがEV(電気自動車)などを対象とした再エネ補助金です。
最大で80万円と高額ですが、注意したいのが申請条件です。再エネ100%の電力調達が求められており、頭を悩ませている担当者様も多いのではないでしょうか?
この記事では、EV導入補助金の概要や注意点、今日からできる再エネ100%の電力調達の方法を徹底解説します。
最大80万円! EV補助金の内容
環境省が執り行う補助金事業です。正式名は、「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業」。
名称が非常に長いですが、個人向けなど似たような再エネ補助金があるため、混同しない注意しましょう。
詳しい条件は後ほど解説しますが、
①「EV(電気自動車)/PHV(プラグインハイブリッド車)/FCV(燃料電池自動車)」
②「充放電設備(V2H)/外部給電器(V2L)」
上記2点をセット導入した場合に限ります。
EVやPHV、FCVとは車の種類のことですが、②の「充放電設備(V2H)/外部給電器(V2L)」は初耳の方も多いのではないでしょうか?
充放電設備・外部給電器とは?
今回の補助金で電気自動車とセットで導入する必要がある充放電設備・外部給電器とは、電気自動車から電力を供給する機器のことです。
充放電設備(V2H) | 車から施設などに電力を供給する。 |
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外部給電器(V2L) | 車から設備に電力を供給 |
充放電設備(V2H)は、停電など非常時の備えとして有効です。さらに、太陽光発電と連携することで、太陽光パネルが発電した電気を蓄えて、後から使用するという蓄電池のような活用も可能です。
外部給電器(V2L)は、照明や冷暖房、スマホなどさまざまな家電に電気を供給できます。持ち運びが可能なため、災害時だけでなく出張やライブ会場など幅広く扱えます。
価格はどちらも数十万円以上と高額ですが、有事の備えとして活用できます。補助金がもらえることを考慮すると、導入を検討する価値は十分にあります。
V2H・V2Lは今回紹介する補助金のキモですので、詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
再エネ補助金のもらえる金額一覧
電気自動車(EV) | 最大80万円 |
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プラグインハイブリッド車 | 最大40万円 |
燃料電池自動車 | 最大250万円 |
外部給電器 | 設備費の1/3補助、最大50万円 |
充放電設備 | 設備費の1/2補助、最大75万円。法人の工事費用は最大95万円 |
もらえる再エネ補助金の額は車両などに応じて異なります。各車両ごとの補助金額はこちらをご参考ください。
令和2年度第3次補正予算案(経済産業省事業分)における補助対象車両・設備の補助見込み額(暫定)
例として、約300万円のEVである日産のリーフですと、55.2万円もらえます。数十万円程度の充放電設備・外部給電器ですと、数万円程度の補助金がもらえます。
補助金の対象や条件など
こちらの再エネ補助金はもらえる条件などが少々特殊で、アンケートなどへの協力が求められます。
補助金の対象
- 対象者:個人、民間事業者(中小企業)、地方公共団体
※電気自動車の補助金には、経済環境省と環境省が連携した似たようなものが他にもありますが、法人を対象としているのはこちらです。 - 2020年12月21日から新車新規登録(登録車)もしくは、新車新規検査届出(軽自動車)された車両
補助金の条件
- モニターへの参加
- 再エネ100%の電力を調達する
モニターに関しては、毎月の消費電力量やEVの走行距離をWEB上で入力。他にもアンケート調査やPR活動などがあります。
4年間行われますが、補助金額が高額ですので、受ける価値は十分にあります。どちらかというと問題なのが、②の再エネ100%の電力調達です。
再エネ100%の電力を調達する方法
再エネ100%の電力とは、太陽光発電など環境価値のあるクリーンなエネルギーのみで構成された電力のことを指します。
電力の供給先は、補助金の対象であるEVを運用する拠点(事務所やオフィス)とされています。
では、どのようにして再エネ100%の電力を調達すれば良いのかといいますと、3つの方法が用意されています。
- 再エネ電力のプランに変更する
- 再エネ電力証書の購入
- 太陽光発電など再エネ発電設備を導入し、自家消費に切り替える
再エネの電力調達にかかる費用は、今回の補助金には含まれません。上記①~③を組み合わせて再エネ100%達成も可能です。
太陽光の導入や証書の購入は費用がかかるため、予算をかけたくない企業様は、契約している電力会社・プランを、再エネ電力のプランに乗り換えるのが一番です。
再エネプランに切り替えることで、電気料金は現状より割高になるでしょうが、初期費用などはかかりません。
電気料金のコスト増は問題かも知れませんが、最近ではRE100やSDGsなど、CO2削減に取り組む企業が評価されています。多少電気料金が上がったとしても、再エネ電力のプランに変更する価値はあるでしょう。
補助金の対象になる再エネプラン
補助金の対象となるプランは17個存在します。この中で代表的なものをいくつか紹介します。
アクアエナジー100(東京電力エナジーパートナー)
供給エリア | 関東 |
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対象 | 個人、法人(低圧) |
アクアエナジー100は、水力発電で発電されたプランです。CO2排出量はゼロのため、今回の補助金の条件をオールクリアしています。
注意点として、低圧向けのプランのみで高圧は用意されていません。
ENEOSのCO2フリー電力メニュー
供給エリア | 全国(沖縄・離島除く) |
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対象 | 高圧・特別高圧 |
Jクレジットや非化石証書といった証書をプランに付属させ、環境価値を高めたプランです。
注意点としては、100%再エネを確約してはおらず、契約企業の要望に応じてCO2排出係数は変動します。Jクレジットなどに限りがあるとのことですので、まずは一度問い合わせをしてみましょう。
中部電力ミライズ
供給エリア | 中部 |
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対象 | 個人、法人(低圧)、高圧 |
中部電力が提供するCO2フリーを謳ったプランです。2020年度の電源構成は水力発電61%、再エネ発電39%です。特別高圧は対象外ですので注意しましょう。
通常プランの料金に、CO2フリーのオプションを付属させる仕組みで、1kWhにつき4.4円の追加料金が発生します。
関西電力の再エネECOプラン
供給エリア | 低圧は関西。高圧・特別高圧は全国(沖縄を除く) |
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対象 | 個人、法人(低圧)、高圧、特別高圧 |
低圧の場合は、現在契約しているプランに加えて、CO2フリーの「再エネECOプラン」をオプション契約するスタイルです。料金は従来の電気料金に加え、1kWhあたり2円を支払うことになります。
高圧・特別高圧の場合は、電源構成は水力発電80%、FIT電力を除いた再エネ20%、CO2フリーのプランを契約することになります。料金単価は非公開のため、一度見積もりをする必要があります。
低圧と高圧で供給エリアが異なるため注意しましょう。
その他プランはこちら
上記の他にも、補助金に対応したプランは存在します。その他電気料金プランは以下の記事で掘り下げていますので、補助金を獲得したい企業様はぜひご参考ください。