高圧電気

高圧電気設備は、工場や学校、病院、商業施設など、比較的多くの電気を使う場所に設置されています。高圧電気設備には、キュービクル式高圧受電設備開放形高圧受電設備の2種類があります。現在はキュービクル式高圧受電設備が主流ですが、施設に最適な種類を選ぶことが大切になってきます。

そこで今回は、キュービクル式高圧受電設備と開放形高圧受電設備の違いや保安点検などについて解説します。

⇒高圧電力とは?

高圧電気設備の種類とは

高圧電気設備の種類

高圧電気設備は種類によって特徴が異なり、それぞれメリットとデメリットがあります。ここでは、キュービクル式高圧受電設備と開放形高圧受電設備について詳しくご説明していきます。

キュービクル式高圧受電設備の特徴

最も普及しているこのキュービクル式高圧受電設備というのは、キュービクルと呼ばれている金属製の箱に高圧を受電するために必要となる様々な設備が収容されたもののことを言います。

この設備は、工場や大規模ビル、病院、学校など、たくさんの電気を使用する需要家が必要な電力に変換し、安定した電力を常時受電するのに必要です。

キュービクルの特徴を具体的に挙げますと下記のようになります。

キュービクルの特徴
扉を開けないと点検ができない
保守点検は標準化されているので容易である
専用の工場で組立後、取り付けるので品質の安全性が保証される。
増設や交換の際に事前準備が必要
感電などのリスクが少ない
コンパクトなので場所を取らない
工事期間が短い
金属性のキュービクルに機器一式を収納するので耐久性が高い

開放形高圧受電設備

開放形高圧受電設備というのは、キュービクル式高圧受電設備と同様にたくさんの電力を扱う施設などに設置する高圧電気設備のことを言います。フレーム鋼で作られた基礎部分に、遮断器や継電器などといった電気を供給するための機器が取り付けられます。

開放形高圧受電設備は基本的に屋外へ設置することになりますが、場合によっては屋内にも設置されることもあります。しかし技術の向上や設置スペースの問題という様々な理由から、開放形高圧受電設備よりも先述したキュービクル式高圧受電設備が広く採用されるようになりました。

ちなみにキュービクル式高圧受電設備と開放形高圧受電設備のどちらも設置が可能という状況では、メンテナンスの容易さと危険性の少なさによりキュービクル式高圧受電設備が選ばれることが多いです。

開放型の特徴を具体的に挙げますと下記のようになります。

開放型の特徴
点検スペースを多く確保できるので点検が簡単
現場での組立なので品質に差がある
増設はスペースがあれば簡単にできる
充電部分がむき出しなっているので感電のリスクがある
現地で設置、配線、組付を全て行う都合上、費用と期間が長くなる。
機器が露出しているので外的刺激を受けやすい

定期的な高圧電気設備の点検が大切!

高圧電気設備点検

キュービクル式高圧受電設備も開放形高圧受電設備も高圧電気設備に変わりはないため、どちらも定期的な点検が義務付けられています。これは電気事業法により定められていることであり、保安管理も点検と同様の頻度で行う必要があります。

ちなみに点検、及び保安管理は電気主任技術者の資格を保有する者しか出来ません。

高圧電気設備の耐用年数

専用の物置が設置されるキュービクル式高圧受電設備は、開放形高圧受電設備と比較して耐用年数は長いですが、中の設備に関してはどちらも25年程度の寿命となります。

開放形高圧受電設備は電圧ケーブルがむき出しのため20年前後の寿命で、キュービクル式高圧受電設備の物置は50年前後の耐用年数があります。

50年前後の耐用年数があると言いましても、キュービクル式高圧受電設備を点検するためには物置を開けなければいけません。長い年月の間放置し、久しぶりに開けてチェックしてみたら早急に修理や交換が必要になっていたなんてことも考えられます。

遮断器や負荷開閉器など内部に収容されている高圧機器に関しては、平均して20年前後の寿命ですが30年以上運用されている場合もあります。

つまりどの設備にせよ、耐用年数はあくまでも目安であり、定期的な点検と保安を行わなければいけません。

高圧電気設備のトラブルと対策法

悩んでいる作業員の男性

どんなに定期的な点検と保安に努めていたとしても、何かしらの原因により高圧電気設備から安定した電気を供給することが出来なくなるトラブルが生じる可能性があります。

災害時の停電は仕方の無いことかもしれませんが、平常時でも停電で電気を使うことが出来なくなることも考えられるのです。具体的には、どんなトラブルが挙げられるのでしょうか。

⇒ 高圧ケーブルの役割と安全な運用方法について

開放形高圧受電設備のトラブル

高圧電気設備の種類でトラブルが多いのは、やはり開放形高圧受電設備となります。閉鎖された物置に設置されておらず開放されているため、万が一人が侵入すると高圧部分に触れることで命を落としてしまう危険性があります。

そのため開放形高圧受電設備の周囲には安易に侵入出来ないようにフェンスが設置されているのですが、ネズミや猫などの小動物は簡単に入ってこれます。その結果、感電し絶縁部分の不具合により停電を引き起こしてしまうのです。

また小動物だけではなく雨も停電を引き起こす原因の一つになるため、雨対策もきちんと施さなければいけません。

キュービクル式高圧受電設備のトラブル

キュービクル式高圧受電設備は開放形高圧受電設備ほど多くのトラブル事例は報告されていませんが、それでも場合によって停電事故を引き起こす可能性があります。

確かに全ての機器は物置の中に収容されているのですが、小さな隙間から小動物が侵入してくることも考えられますし、雨が入ってくることも十分に考えられます。

ただ、物置の施錠がきちんとされていれば人が侵入し、感電死という最悪の事態を招いてしまうことはありません

トラブル回避の自主保安

上記のような高圧電気設備におけるトラブルを回避するためには、義務付けられた点検や保安だけではなく、自主的な保安が必ず必要になります。

自主的保安と言いましても決して自主的というワケではなく、法律でも決められていることです。ちょっとしたトラブルが原因で人命に関わってくる高圧電気ですから、電気を使用する全員があらゆるトラブル回避を心掛けなければいけません。

事故の前兆をなるべく早期に発見するため、絶縁抵抗や絶縁耐力のテストを定期的に行うことも大切です。不具合が起きている開閉器や遮断器を使用していることで短絡事故が発生する可能性が出てきます。

高圧電気設備の機種選びで大切なポイント

高圧電気

最も求められるのは信頼性と安全性

当たり前のことですが、高圧電気設備にとって最も求められるのは「信頼性」と「安全性」です。

高圧電気設備は長期間に渡り稼働させる必要があるため、設備を設置する場所の環境に耐えることの出来る高品質で高い信頼性のある機器を選ばなければいけません。

さらに万が一の事故にも備える必要があります。高圧電気設備の事故を起こしてしまうと、それは人命にも関わってくることにもなりかねません。

とにかく事故が起きた場合には、それを最小限の被害に抑えることが重要です。人間が簡単に出入りすることの出来ないように高圧電気設備を設置し、危険な機器であることを認識させる看板の設置も大切です。

経済性とコスト面

信頼性と安全性はもちろんのこと、高圧電気設備に求められることとして、経済性とコスト面が挙げられます。経済性に関しては、機器そのものを購入する費用だけではなく、設置費用や配線の引き込みなど、様々な工事に必要な経費も含まれます。

ですので、経済性を知るためには、ただ単に機器の価格だけを比較するのではなく、設置費用とランニングコストなどもきちんと比較しなければいけません。高圧電気設備も様々な種類がありますから、使用環境に応じた適切な機器選びが重要です。

今回は高圧電気設備の種類についていくつかまとめさせていただきました。

一般家庭で使用している低圧とは大きく異る供給方法であるため、その仕組みや注意点などは別のものとして考える必要があります。

高圧電気設備と同じで電力会社の定期的なチェックが大切です!

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