学校でコスト削減したい時にまず試したい方法8選
学校では様々なものにコストがかかっており、少しコスト改善するだけでも全体で見れば大きな金額になることも少なくありません。とはいえ、実行するのに予算がかかってしまうものはすぐにやってみることは難しく、なかなかコスト削減へと繋げられません。
そこで、今回は比較的すぐにできる、予算をかけなくてもよい次の8個の対策をご紹介いたします。
それぞれについて、次に詳しく説明していきますね。
水洗トイレのレバーを使い分ける
水洗トイレのレバーには、「大」と「小」とが分かれているものが多くありますが、中には「小」で十分流せる時でもなんの気なしに「大」を使って流している方もいます。
もちろんトイレの種類にもよりますが、水洗レバーの大、小は1回流すごとに2Lもの水の量の違いがあります。
例えば、学校全体で毎日1,000人がトイレに3回入り、すべて「小」でことたりるところを「大」で流すと、1,000人×3回/人×2L/回=6,000Lもの水が毎日無駄になっています。
これを20日間(1か月のうちのおおよその出席日数)続けると、月間で120,000L、水道代の単価を「東京都水道局平成24年度生活用水実態調査」をもとにして0.24円/Lと仮定すると、毎月120,000L×0.24円/L=28,800円、年間で345,600円ものコスト削減につながります。
特に生活を変えずに、レバーの向きを変えるだけで年間数十万円も変わってくるのは驚くべき数字ですね。
ぜひ、生徒職員ともに徹底して水洗レバーの使用方法を改めてみてください。
エアコンフィルターの定期的な清掃
エアコンフィルターの清掃は、つい忙しいとサボってしまいがちで、ひどいと年間に1~2回しか掃除をしないというケースもあります。
フィルターが汚れている状態と、キレイな状態とでは、最大で15%も電気代が変わってくるということはご存知でしょうか。
例えば、月に学校全体のエアコン代が100,000円と仮定すると、15%の電気代が削減できれば、毎月100,000×0.15=15,000円もの電気代が削減できます。
年間で計算すると、15,000円×12=180,000円のコスト削減につながります。
月に1~2回程度フィルター掃除することが理想的ですので、掃除の時間に合わせ、曜日を決めてきちんとすると、習慣になりますので、ぜひ組み込んでみてくださいね。
空調の設定温度を変える
経費の削減というと、まず言われるのが「エアコンの設定温度を変える」ということです。
実際に、エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも、電気代が5~10%も変わりますので、エアコンの台数が多い学校では大きなコスト削減になります。
具体的には、夏場は28℃、冬場は20℃に設定することが望ましいとされています。
例えば、校内のエアコンで、夏場に25℃設定で月に100,000円の電気代がかかっていたとすると、28℃に設定することで、そこからさらに15~30%電気代が削減できます。
仮に、30%も削減できた場合、100,000円×0.3=30,000円のコスト削減ができるという計算になります。
切れてしまった照明はLEDへ切り替える
照明の種類によってはLEDへと交換できない場合もありますが、LEDへと照明を変えることで、電気代の節約になるほか、交換の手間もかなり軽減できます。
LED照明は、ふつう耐久時間が40,000時間ですが、蛍光灯は長いもので13,000時間程度ですので、耐久年数が約3倍にもなります。
本体の価格面では、普通の照明と比較して2~4倍にもなりますが、耐久年数が長いことや、消費電力が蛍光灯の約半分程度におさえられることを考えると、長い目で見るとかなりコスト削減になります。
ただ、いきなりすべての照明をLEDに交換するとなると、費用も時間もかかってしまいますので、照明の寿命が来て交換する際にはLEDに交換する、というように徐々に負担なく変えることが、実行しやすくおすすめです。
体育館はできるだけ連続使用する
体育館の照明は、普通の蛍光灯とは異なり、「水銀灯」という消費電力が大きく、スイッチを入れてから十分な明るさになるまでに時間がかかるものを使っているケースが多くあります。
水銀灯は蛍光灯の10倍もの電気代がかかる ほか、スイッチを入れたときに大きな電力が必要になる照明器具ですので、使い方次第ではで電気代が安くなります。
例えば、体育館はできるだけカリキュラムを工夫して連続使用するなど、頻繁にオン、オフを繰り返すことがないように気をつけて使用しましょう。
花壇などの水は雨水を貯めて使う
花壇への水やりを雨水で置き換えるのは、イメージとしてはそれほどコスト削減にならないと感じるかもしれませんが、実際に花壇に水やりをするのに必要な水の量よりも、水やりをするための時間中、ホースから水を出しっぱなしにする水道代が無駄になっています。
水圧や水道の蛇口の大きさにもよりますが、1分間水道を出しっぱなしにした場合、およそ15Lもの水が流れていきます。
学校全体の花壇に水やりをするための70分間、ずっと水を出しっぱなしにしていると仮定すると、70分×15L/分=1,050Lもの水が流れていってしまいます。
花壇の水やりを雨水ですべて代用できたとすれば、その分節約ができますので、1,050L×0.24円/L=252円の水道代を毎日削減していることになります。
1日に2回水やりをすれば、約504円、年間(365日)毎日欠かさず水やりをしたとき、183,960円のコスト削減ですね。
たかが花壇の水やり分と思うかもしれませんが、90,000円もあれば学校の備品の一部を新しくすることもできますので、馬鹿にはできない金額です。
歯磨きは「コップ」を使って行う
先述の通り、水を1分間出しっぱなしにし続けると、15Lもの水が無駄に流れていってしまいます。
コップを使って歯磨きを行えば、1回1Lの水を使ったとしても、1分間水を出しっぱなしにするのと比較すると14Lの水を節約できます。
これを生徒と職員総数700人の学校で徹底すれば、1日あたり700人×14L/人×0.24円/L=2,352円のコスト削減が可能ということですよね。
1か月につき20日間これを続ければ、コスト削減額は2,352円/日×20日=47,040円、1年間では47,040円/月×12月=564,480円にもなります。歯磨きにコップを使うだけで、年間500,000円以上も節約できるのです。
ポスターなどで呼びかけながら、ぜひ毎日の生活に「コップ」を取り入れてみてください。
扇風機を活用して空調機器の無駄遣いを減らす
扇風機はエアコンの消費電力の20分の1ほどで、「中」の強度ですと30Wというものが多くあります。(家庭用のエアコンは夏場の消費電力は600W前後のものが多いです)
エアコンの電気代が月に100,000円として、扇風機で代用することで半分に抑えられたとすると、50,000円の削減です。それに扇風機の電気代がプラスされたとしても、エアコン50,000円分の20分の1ですので、50,000円÷20=2,500円です。
つまり、2,500円の出費で50,000円も節約できますので、やり方にもよりますが、エアコンと扇風機を併用しながら上手に電気代のコストを削減していくことが効果的と言えます。
「できることからコスト削減」が大切
コスト削減は予算や時間がかかってしまうものも多くありますが、今回ご紹介したようにすぐてき、かつ予算がかからないものでも大きな効果を発揮する方法もあります。
新しくコスト削減のために難しいルールを作ったり、新しいシステムを導入したりするというのはなかなか実行できませんが、今回ご紹介した8つの方法は、きちんと校内に浸透させ、実行すれば必ず効果が現れますので、継続してコツコツと節約し続けることが大切です。
逆に言えば、今回ご紹介したような簡単な方法でもなかなか実行できないのであれば、そもそもコスト削減という目標は達成できないかと思いますので、まずはきちんと「続ける」ことを意識し、これをきっかけにして、学校全体のコスト削減につながるようにしてみてくださいね。