オフィスの節電を妨げる意外な4つの要因
節電に取り組んでいるものの、今一つ期待する節電効果を挙げられない企業も多いでしょう。それは、節電の妨げとなっている「見えない要因」に気づいていないからかもしれません。
大きく分けると、業務時のエアコン・会議室や倉庫の使用・休憩や外出時・節電の意識付けといった4つの要因があります。それぞれの問題点や改善方法について詳しく説明します。
1.オフィス業務時のエアコン使用に潜む!節電を妨げる要因
節電をするにあたり、最初に目につきやすいのが業務中のエアコンの使用です。しかし、意外と節電の妨げになる要因については気付きにくいのです。ここでは、エアコンの節電に悪影響を及ぼす要因と改善方法についてチェックしましょう。
エアコン内の汚れやホコリはオフィスの節電にとって最大の敵!
オフィスにあるエアコンの最大の改善点は、排気口のホコリだけではないケースもあります。全館システムの場合、張り巡らされている配管内にも汚れやホコリが溜ります。同じ電力消費でも効率が徐々に下がっていくでしょう。
エアコンの配管が汚れた状態が悪化すると、特に夏場などは設定温度28℃程度では暑く、不快感を感じるようになります。本格的な夏が到来する前に、ぜひ配管のクリーニングを進めてください。
デスクの位置が体感温度に大きく影響する
オフィスのエアコンに関してもう1つ重要な改善点があります。それは、エアコンの排気口に合わせたスタッフデスクの配置です。
オフィスのエアコンでよく問題になるのは、特定のスタッフの頭上に排気口が位置してしまうことです。
排気口の下にあるデスクに座っているスタッフの体には寒すぎる、もしくは暑すぎるほどのエアコン風が吹きかかりますので、このスタッフの本心ではエアコンを消してしまいたい気持ちに駆られます。
よって、エアコン使用時の体感温度がスタッフにより大きく違ってしまっています。これを解消するには、エアコンの排気口を基準にしたデスク配置が必要です。
2.会議室と倉庫にもある!オフィスの節電を妨げる見えない要因
オフィスの節電を妨げる要因は、会議室や倉庫などにも存在しています。普段から頻繁に出入りする訳ではないスペースなので、改善点を見逃していることが多いです。これらの場所を少し改善することで、節電効果アップに大きく役立ってくれます。
会議室の使用はなるべく午前中に行って節電効果アップ!
日本のオフィスにある会議室は、一般的に窓側に位置していることが多いです。そのため、猛暑日が多くなった日本の夏場では、室温が高くなりやすい部屋です。
通常、日本の気候は午前中のほうが気温が上がりにくいです。可能な限り会議そのものを午前中に設定し、エアコンの温度を低めに設定しましょう。
しかし、会議も午前中ばかりにタイミングよくある訳ではないでしょう。高圧電力の電気料金プランは、夏季の電力需要ピーク時間には電気料金が高く設定されていることがあります。その時間帯を避けることで電力量単価は安くなりますが、気温自体は高いので午前中ほど節電効果は上がりません。
夏季のピーク時間が設定されている場合、一般的に午後1時〜4時の間は電気料金が高く設定されていることが多いです。ただし電気料金プランにより違いがありますので、一度お使いのプランを確認してみるといいでしょう。
整理されていない倉庫は室温が急上昇する原因に
倉庫は、オフィスの気温上昇に間接的に影響しています。オフィスの倉庫には製品倉庫もあれば、過去の書類を貯めておく事務用の倉庫もあります。
このうち問題になるのは、書類を長期保管している事務用の倉庫です。書類に関わらず、長期間ものを放置しておくとホコリが溜まっていくのはどうしても避けられません。ホコリは溜まっていくと熱を持ちやすくなり、結果的にそのスペースの温度を高めてしまいます。
開放されることの少ない倉庫は、夏場も長期的に熱を帯び続け、オフィス全体の熱を増やしていくでしょう。このため、日常的な倉庫の整理は節電のために非常に効果的です。
3.休憩や外出時にも節電の妨げになる要因が!
無駄な電力消費も数多く存在するオフィスですが、それはオフィス内で業務をしている際に発生するとは決して限りません。オフィスでの業務中ではなくても無駄は常に発生しています。休憩中や出先などへの外出時にも、節電を阻害する要因があります。
オフィス併設の自動販売機が無駄な電力消費の原因に
オフィスに併設されていることも多い自動販売機。平均的な使用頻度は、1人につき1日に1〜2回であることが多いでしょう。つまり、1日のほとんどは待機時間となり、この間も常に電力を消費し続けているのです。
自動販売機で飲み物を購入した時、冷たすぎる、もしくは熱すぎると感じることがあります。これは、購入頻度の少ない販売機であると同時に、業者による温度設定が非常に低く、もしくは高くなっていることが原因の場合が多いです。
業者に設定温度を適温に調整してもらうことが非常に大切です。場合によっては、冷却や加熱をしない時間帯を数時間持った方がいいケースもあります。
業務用パソコンの電源は外出時に必ずオフにする!
従業員によっては顧客のもとに長時間外出するケースも多く、大部分の時間をオフィス外で過ごすこともあります。
しかし、夕方前には帰社するという認識の下に、オフィスで使用するパソコン(主にデスクトップ)の電源を入れっぱなしにしていることもあります。担当者ごとに顧客からメールを受け取ることも多く、パソコンに電源を入れていないとメールが受け取れないという状況もあるからでしょう。
業務の情報はチームで共有するというコンセプトが定着している現在では、メール設定ですべてのスタッフで共有ができます。そうすれば、情報の受け取り漏れも発生しませんので、外出の際には必ずパソコンの電源をオフにして節電効果をアップさせることが可能です。
4.節電で本当に大切なのは電力消費や室内環境を意識すること
節電を妨げる最大の見えない要因は何なのでしょうか。それは、「日常的な電力消費や室内環境に関心がないこと」です。
つまり、普段から節電を意識できるようなヒントになり得るものが、一切オフィスに存在していないことを意味します。ここでは、節電そのものを見えやすくするための方法をご紹介します。
オフィスの目立つ場所に電力消費の監視装置を設置する
節電に対する最大の意識付けとも言えるのが、オフィスの中に電力消費を常に監視できるモニターを設置することです。
例えばダイエットの場合、自分の体重などが毎日目立つところで監視できるとすればどうでしょうか?ほとんどの方は多くを語らずとも関心が高くなり、日常生活を見直すことでより減量目標が達成されやすくなります。
節電において目標値が設定されているのであれば全く同じことで、自然な業務改善を促すことに繋がります。監視装置の設置による相乗効果はかなり大きいことが期待できます。
照度や二酸化炭素濃度を把握できるツールを上手に活用
オフィスの室内環境に関しては、スタッフの大部分は天気や室温などにしか関心が無いことも多いです。自身のオフィスがどのような環境なのかを数値化してみる習慣はほとんどないでしょう。オフィス環境の数値化には、照度計や二酸化炭素濃度計の設置が効果的です。
オフィスの明るさを数値で把握すれば、明るすぎる照明による電力の無駄を抑えることができます。また、エアコン使用による室内の二酸化炭素濃度の高さを知ることで、エアコンの停止を促すことも可能です。
このような数値は体感だけでははっきり知ることができません。照度計や二酸化炭素濃度計によって、初めてしっかりと認識することが出来ます。節電を健康的に進められるように、室内のコンディションを客観的に見れる環境を作りましょう。
節電を効率的に進めるには、こうした目には見えない気が付きにくい要因を改善していくことも非常に大切です。
オフィスの節電がしたいけど、なかなか目標が達成できていないという方は、ぜひ一度こちらの情報を参考に、節電の妨げになっている要因を改善してみてください。