オフィス節電管理担当者が注意するべき4つのポイント
効果的なオフィスの節電対策のためには、節電対策の管理担当者を置くことも有効です。オフィスの節電管理担当者には、電気機器や毎月の電気料金の分析、大規模なオフィスでは各部門との連携といった役割があります。
また、オフィスの節電管理担当者が注意すべきポイントには、エアコンの温度設定、エレベーターの使用頻度、社員食堂の消費電力、エコ家電の有効活用といったものがあります。詳しい内容や、節電管理担当者を選ぶ方法などについても触れていきます。
オフィスの節電を実現するために必要な管理担当者の役割
オフィスの節電をスムーズに実現するためには、節電をしっかりと管理できるキーパーソンの存在が欠かせません。近年は節電の管理担当者を設ける企業も多いですが、その重要性を理解しないまま設定している企業もあります。ここでは、節電担当者の意義について改めて確認していきましょう。
オフィスの節電を達成させる管理担当者の役割
オフィスの節電管理担当者は、オフィスのどこにどのような電気機器があり、どのくらいの時間稼働しているかを把握しなければなりません。これにより、それぞれの機器における稼働効率性を知り、随時監視していくことが必要です。
また、毎月の電気料金や電力消費量を分析し、電気代増減の原因を解明することも大切な役目です。節電管理担当者がこうした正確なデータを経営部門に報告することで、経営者が経費節減方法の判断基準にすることが出来ます。
また、節電の意義を全スタッフに理解させることも管理担当者の役割となるため、節電意識の少ないオフィスほど管理担当者の存在意義は大きいのです。
大きなオフィスでは専属の節電管理担当者を置き各部門と連携!
オフィスの節電担当者は企業によって設置形態が異なりますが、規模の大きなオフィスであるほど、専属の管理担当者が必要です。大規模なオフィスでは、複数階に多数の部門が置かれていることも多いです。その規模の大きさから、他の業務と兼業で節電管理業務を進めるのは難しいためです。
メーカーなどでは、オフィスと製造現場や倉庫が一体化していることも多く、より高度な管理が必要となります。オフィスの場合は一般的な家電の消費電力を管理するだけでも構いませんが、工場などになると業務用の大型電気機器もかなり多く、節電効率化対策はかなり複雑になることが予想されます。
また、工場や物流倉庫は24時間稼働の職場もかなり多く、各部門のスタッフと密な連携が必要です。こうした理由から、大規模な職場では専属の担当者を置くことが必要なのです。
オフィスの節電管理担当者が注意すべき4つのポイント
オフィスの節電効率化で重要なのは、電気機器ごとに適切な管理方法を行うことです。ここでは、消費電力が大きい4つの項目ごとに節電管理担当者が注意すべきポイントを見ていきましょう。
1.エアコンの温度設定を一定の範囲内にして心地良さも追求
オフィスの中で最も節電したい機器であるエアコンですが、その温度設定は極めて難しいでしょう。電力消費を気にするあまり、室温が高くなってしまいオフィス内のスタッフが仕事を続けるモチベーションを維持できないケースもあるからです。
管理する立場では、できるだけ温度が高い方が好ましいですが、その日の気温に関係なく常に28℃ギリギリに設定していると、日によっては暑さや不快感を感じることもあります。
そのため、なるべく午前中から気温を上げないようにする工夫が必要です。雨の降らない夏日が連続している時は、カーテンを朝からしっかり閉め日光を遮るなどの工夫を行いましょう。
また、デスクの位置によってエアコンの風の当たり具合が異なるため、快適さにも大きな違いが出てきます。なるべく全員が快適な温度で過ごせるよう、サーキュレーターを活用してエアコンの風を全体に行き渡らせるようにしましょう。
2.エレベーターの使用頻度を抑える取り組みを徹底
大きなビル内などにあるオフィスの場合、エレベーターを使用する回数も多いでしょう。しかし、節電のためにはエレベーターの使用頻度をできるだけ減らすことが大切です。
工場に設置してあるエレベーターでは、必要に応じてスイッチをオンオフにできますが、一般的なオフィスにあるエレベーターの場合、スイッチの切り替えは大変面倒です。そのため、管理担当者としてはエレベーターの電源を入れたまま節電していくことを模索しなければなりません。
エレベータの電源を入れたまま節電する方法が、「2アップと3ダウン」です。
これは「2階上までは階段で上がり、3階下までは階段で下る」ことでエレベーターの使用頻度を減らすことができる規則です。一般的にエレベーターは起動時の電力負荷がかなり大きいので、短距離での昇降に逐一エレベーターを使用していると、かなりの無駄な電力消費が蓄積していきます。
こうした小さな工夫の積み重ねによって、効果的な節電が可能になります。
3.社員食堂には管理担当者が気付かない節電ポイントがいっぱい!
オフィスでは、業務中以外にも電力を消費している場所があります。大きなオフィスではよく設置されている「社員食堂」がそれにあたります。社員食堂は仕込みの時間や調理の時間はもちろん、スタッフが食事をする昼間の時間帯にも電力を消費します。
また、社員食堂にある大型の冷蔵庫も大きく電力を消費しています。社員食堂にある冷蔵庫は、必要以上に低い温度に設定している場合も多く、同じ保管時間であっても設定温度によって電気料金に大幅な差がつくことも少なくありません。
節電管理担当者としては、24時間稼働している冷蔵庫の節電は早急に取り組むべき事項です。適温での食材保管を徹底してもらうために、調理責任者とのコミュニケーションが必要です。
4.エコ家電の性能ばかりに頼らない節電対策が必要!
オフィスの節電を進めていく際に、管理担当者はエコ家電の導入を考えることが多いでしょう。しかし、残念ながらエコ家電をオフィスの各部署に導入しても、期待していたような高い節電効果が得られないケースもあります。
どんなエコ家電でも、節電に適切な使用方法でなければ負荷が高くなり、本来持っている節電効率が失われることがあります。オフィスによっては、節電効果が出る適切な使用方法を意識しないまま使っていることも多いのです。
つまり、管理担当者に必要なのはエコ家電の性能に頼り切るのではなく、その優れた性能を発揮できる使用方法を各部署に啓発することです。「物は使いよう」という言葉があるように、優れた機器は使い方次第で効果も変わってきます。
オフィスの節電管理担当者を決める2つの方法
ここではどのように節電管理者を決めるべきか、会社の規模ごとに解説します。
大きなオフィスでは管理経験がある人材採用も可能
規模の大きなオフィスの場合、外部から経験者を採用し、専門で節電管理に据える方法が無難です。
大きなオフィスでも事務拠点であればまだ良いのですが、商材などを多く抱えるような職場では、事務端だけでキャリアを積んできた方では務まらないケースが多くなります。
そのため、前職で工場や物流で管理経験のある方を直接採用する方法や、複数部門の管理経験を持つ方を採用する方が手っ取り早いのです。そして、その下で生え抜きの社員を教育させるようにすれば、将来的な人材育成にも繋がるでしょう。
小さいオフィスでは基本的に既存スタッフから選ぶべき
規模の小さい単体のオフィスの場合は、コストパフォーマンスから考えても、既存スタッフから選ぶ方法がおすすめです。スタッフの人数がそれほど多くない場合、経営者自ら、もしくは社長以外の取締役のどなたかが直接担当する方法も決して悪くありません。
規模の小さい会社の場合、人材の流出が激しいケースが多いので、基本的に動くことの少ない上層部が担うことも1つの効率的な方法です。
ただ、将来的に経営や管理を任せても良いと言う人材を見極めた場合は、その人材を節電管理者へ抜擢することで、人材流出の歯止めとしても機能するため一挙両得です。
経費削減のために、オフィスの節電に取り組む企業は多くなっています。より効果的な節電対策のために、こうした「節電管理担当者」の明確な役割をしっかり把握し、スタッフの節電意識を向上させていくことが大切です。
こちらでご紹介した内容を参考に節電管理担当者の行うべき対策を再確認し、オフィスの効果的な節電につなげましょう。