電力の料金規制撤廃

電力自由化で電気を小売する自由度が飛躍的に高まりましたが、家庭や小規模店舗など低圧需要家へ向けた料金規制は2020年3月末まで残されてきました。電力小売市場の成長を待って撤廃されるはずだった料金規制が、2020年4月以降も継続されることになったのです。

料金規制撤廃が延期になったことで、消費者にはどのような影響があるのでしょうか。

この記事では、料金規制撤廃とは何か、消費者への影響や電気料金を安くするための方法を紹介します。

電力の料金規制とは

料金規制とは、電気料金が高騰しないよう法で規定される、消費者保護の仕組みです。電力自由化になっても消費者が不利益を被らないための措置として実施されていました。

電力自由化と料金規制撤廃に向けたこれまでの流れ

これまで、電力会社の電気料金は「総括原価方式」で定められてきました。電力の総括原価方式とは、発電から小売に関わるあらゆるコストをまかない、電力会社に利潤があるように値付けすることです。

電気のインフラ投資を行う企業を守るための制度ですが、電気事業法で規制されているため、電力会社が簡単に電気料金を釣り上げることを抑制する効果もありました。

2016年、電気の小売業への参入が全面自由化され、消費者が自由に電力会社や料金プランを選べるようになりました。このとき期待されたのは、企業同士の価格競争による電気料金の値下がりです。

しかし、新規参入の電力会社と地域に根づいた大手電力では知名度に差があり、事業規模にも差があります。そこで、新興勢力の競争力増強を待つ意味で料金規制を継続し、2020年4月以降には撤廃される予定だったのです。

2020年4月以降も料金規制は撤廃されず

2019年10月、地域の電力会社と新電力の競争状態は十分ではないと判断されました。大手電力会社の独占状態が続けば電気料金が高くなる可能性もあるとして、料金規制の撤廃が見送られたのです。

もし、料金規制が撤廃されるなら、2020年4月以降はエリアごとに段階的に撤廃される予定でした。

競争力がないまま料金規制が撤廃されていたら?

料金規制を継続した理由は大手電力会社に対する競争相手が育っていないためです。

地域の大手が独占した状態で自由料金にすれば、独占者が不当に高値を付けて電気を販売するリスクがあります。競争相手がいなければ、電力自由化によりかえって電気料金が高くなる可能性もあるということです。

そのため、国は料金規制により引き続き消費者を保護しなければならないと判断しました。結局、料金規制は撤廃されず、2020年4月以降も全エリアで料金規制が継続することが決定しています。

料金規制がなくなったら何が変わる?

電力価格

電力会社間に健全な競争が起きて料金規制の撤廃が実現すれば、消費者はより安い電気料金で電気を使えるようになる可能性があります。ここでは、料金規制の撤廃前と撤廃後では、電気料金などがどう変わるのかを比較してみましょう。

【料金規制あり】

電気料金:規制料金での購入も可
電力会社との契約:従来の電力会社との契約を継続
注意点:規制料金のままでは高い可能性もある

【料金規制なし】

電気料金:規制料金での購入ができなくなる
電力会社との契約:電力会社を選ぶ必要がある
注意点:エリアによっては高くなることもある(※競争が活性化しにくいエリアなど)

料金規制がなくなれば電力会社間の競争が起こるので、その結果として電気料金が安くなることが期待できます。一方で、消費者は電力会社や最適な料金プランを自分で選び、できるだけ安い電気料金のプランで契約する必要が出てくるでしょう。

料金規制撤廃の延期による消費者への影響とは?

料金規制の撤廃が延期されたことで、電気料金の値下げが期待できなくなりました。また、新規参入する事業者が少なくなる可能性もあります。ここでは、このような現状が及ぼす、消費者への影響を解説していきます。

電気料金の値下げが期待できなくなる

料金規制の撤廃が延期されたことで、消費者にとっては電気料金の値下がりが期待できなくなってきました。電力会社間では「セット割り」「ポイント還元」など、電力料金の値下げ以外で競争が行われているのが現状です。

これまでも、大手電力会社より安い電気料金を設定している新電力はありました。ただし、大手電力会社の料金規制が撤廃されない限り、電気料金の大幅な値下げはされないでしょう。安値競争は起こらないので、これ以上の電力料金の値下がりは難しいと考えられます。

見方を変えれば、規制撤廃の延期で電気料金の値上がりは抑えられ、生活費の圧迫を防ぐ効果がもたらされているともいえます。電気料金は、人件費の高騰や脱原発、脱石炭に伴う投資コストなどにより上昇傾向にあるからです。

新規参入する事業者は値下げ競争を望んでいない?

新電力には料金規制がかかっていないにも関わらず、価格競争力は大手電力と戦えるほど育っていません。

新電力の価格競争力の源は、コンパクトな経営による設備管理費用と人件費の削減が主となっています。自社で発電所を持たない新電力の場合、電気の仕入れにコストがかかるため値下げには限界があるのです。

新電力は、値下げよりも主力事業とのセット割や、ポイント還元でバリューを提供する方法を選ばざるを得ない状況です。シンプルに低価格化することを競争力というなら、大手電力会社に対する料金規制撤廃はまだまだ先になるといえるでしょう。

料金規制が存続する中で電気料金を安くするには?

電気料金を安くするには、各電力会社の料金を比較してお得なプランを見つけることが大切です。また、電気使用量の状況にあった料金プランを選ぶ必要もあります。ここでは、どうすれば電気料金を安くなるのか、具体的な方法を紹介します。

電力会社を比較してお得なプランを見つける

電気料金を安くするには、現在契約している電気契約を見直すことが大切です。そのうえで、自社にあった電力会社がないかを比較検討するといいでしょう。

とはいえ、電力会社は数多くあるので、どこを選べばいいのか迷うかもしれません。選択肢が多いのはよいことですが、選ぶために費やす時間も増えてしまいます。

電力プランを選ぶ時間を短縮したいなら、「電気料金比較サイト(低圧向け)」や「電気料金一括見積りサービス(高圧・特別高圧向け)」を利用するのがおすすめです。電力会社によっては供給エリアが限定されている場合もあるので、対象エリアなのかについても確認するといいでしょう。

電気使用量の状況にあった料金プランにする

電気料金を安くするためには、必ずしも電力会社を変更すればよいというわけでもありません。現在契約している電力会社を継続するなら、自社の電気使用量の状況にあった料金プランなのかを確認することが重要です。

機器の利用状況に合わせたプランやスタンダードなプランなど、それぞれについて比較検討してみましょう。現在よりも電気料金が安くなるプランがあれば、契約内容を変更できます。

高圧・特別高圧は電力会社の無料一括見積り

電気料金を削減するためには、契約している電力会社や料金プランを今一度見直してみることが大事です。従来から契約している地域の電力会社にするのか、新電力に変えるのかにはこだわる必要はありません。さまざまな電力会社から見積りをとって、比較検討してみましょう。

スイッチビズでは、特別高圧や高圧の電気料金を削減したい法人に向けた「一括見積りサービス」を提供しています。アドバイザーが無料で相談に応じてくれるという安心感も得られるので、ぜひ利用してください。